成年後見人をつけるには


成年後見人は家庭裁判所に申し立てをすることによって選任されます。精神上の障害によって、本人が申し立てすることができない場合は、配偶者、4親等内の親族などからの申し立てが認められています。申し立てをすると家庭裁判所の調査官が調査、審問などを行います。申し立てを行う際には、本人に精神上の障害があることを証明するために、医師が作成した診断書を提出することになっていますが、後見や補佐の場合は、原則として医師による鑑定が行われることもあります。

審理期間は個人によって一概にはいえませんが、一般的には3~6ヵ月間かかるとされています。後見人の候補者に事前に身内からの同意があり、所有財産があまりない場合には、期間が短くなることもありますが、後見人の候補者のあてがない場合は、家庭裁判所が後見人を探すことになるため、時間がかかります。家庭裁判所で後見人が選任されたあとに、法務局で登記を行うと手続きが完了します。後見人が選出されると、本人の財産に関する全ての法律行為を本人に代わって行うことができたり、当事者が申し立てた特定の法律行為について代理権を与えることができたりするなど、メリットが大きいものとなります。効率よくスムーズに、そして短期間に済ませたいのであれば、弁護士に申し立てを依頼するといいでしょう。


制度の種類とは


成年後見人制度には、活用されることの多い法定後見制度というものがあります。

法定後見制度は,判断能力が不十分になった後に成年後見人を裁判所に選んでもらう制度であるのに対し,任意後見制度は,判断能力が十分な間に,自分の財産を管理してもらうなどの行為を行ってもらう人を事前に決めておくことができる制度ということができます。

法定後見制度には,本人の判断能力の程度に応じて,後見,保佐,補助の三種類があります。

法定後見制度のひとつである後見は、精神上の障害があることによって、判断能力を欠く状況が常に認められる、いわば、ほとんど判断できない人を対象にしたものです。法律を理解して行動することが難しいため、契約や財産管理などの全てを自分の責任能力のもとに行うことができません。制度を利用すると、本人自ら誤って行ってしまった法律行為を取り消すことができます。2つ目となる補佐は、精神上の障害があることによって、簡単なことであれば自分で判断できるが、法律行為などは援助してもらわないとできないという、判断能力が著しく不十分な人を対象としたものです。

3つ目の補助とは、精神上の障害があることによって、ほとんどのことは自分でできるが、難しいことについては援助がないと自分の能力ではできないという、判断能力が十分でない方を対象としています。法定後見制度を利用する場合は、これら3つのなかから状態や状況、本人の事情によって選択することになりますが、制度活用全体の割合のなかで8割ほどを後見が占めている状況です。つまり、精神上の障害が重度の状態にあって、恒常的に第三者の援助を必要としているということになります。後見人をつけるには、家庭裁判所への申し立てが必要となるため、援助者がついて弁護士に相談することをおすすめします。


成年後見人制度は弁護士に相談


成年後見制度とは、知的障害や精神障害、認知症などの精神上の障害があることによって、自らの判断能力に欠ける方が、不利益を被らないように、第三者が、後見人となって不動産や預貯金の管理や介護サービス施設への入所契約、遺産分割などの協議などを支援する制度のことです。メディアでも報道されることがありますが、知的障害や認知症の症状のある独り暮らしの高齢者が、悪徳商法の被害に遭って高額な買い物をさせられたり、詐欺にあったりして貴重な財産を奪われる案件が頻発しています。一般の方でも詐欺被害に遭うことは少なくありませんが、自ら人を疑い、判断するという能力が劣る方々にとって、日常生活を安全、安心に送るには多くの困難が伴います。最近では、介護施設に通帳を預けていても職員が横領するなどの残念な事件も発生しています。

この制度には、もともと、精神上の障害があることによって判断能力が十分にない方の保護だけでなく、自己決定権を尊重し、残存能力を使って地域の方と交わりながら通常の生活が送れるようにするという趣旨があります。後見人を選任しても、毎日の買い物やレクレーションを楽しむなどの日常生活の範囲内の行動に制限はないため、自由に生きることができます。制度には、法定と任意の2つの制度があり、法定後見制度はさらに、後見、補佐、補助の3つに分かれており、判断能力の程度など、その方の状況や事情に応じて選べるようになっているため、一度、弁護士に相談してみるといいでしょう。